作品集 『月の光』

本のご紹介

『作品集 『月の光』』

Medium

『作品集 『月の光』』

小谷ふみ・著
2015/5/4
1,620円(税込)

かつて

絵が詩を呼び、詩が音楽を呼んだ
芸術の連鎖にあこがれ
そのたすきの一端を
ぼくらなりに引き継ぐことができないだろうかという
思いからでした。

ただ、ヴェルレーヌの詩を直訳してみても
いまひとつ、その意味や情感が伝わってきません。

たとえば
ヴェルレーヌの詩の背景には
ベルガモ地方(イタリア北部)で
盛んであったとされる
職業的旅芸人集団「コメディア・デラルテ」
の存在があったとされるのですが

現代の日本に生きる我々からすると

「月の光の下
 仮面をつけ
 笛やリュートに合わせて踊る」

というシーンを実感として捉えるのは
やや困難であるように思うのです。

もちろん、直訳詩には直訳詩で
そこに自分の知らない世界や他者を感じ
結果、自分の世界をも広げてくれるような
独特の魅力があるとは思っています。

ただ、おそらくはドビュッシーも
ヴェルレーヌの詩をそのままなぞる以上の
想像力/創造力でもって
『月の光』を作曲したように

今を生きる我々も
過去の作品たちからインスピレーションを受けつつも
そこに今の自分たちを重ねられるような作品を
つくってみてはどうかと考えたのです。

それは
19世紀当時に
ヴェルレーヌがおそらく見たであろう景色を想像し
その絵を現代の絵へ
そして現代の言葉へと置き直していく道程であり

ドビュッシーの旋律に秘められた言葉を
創造的に読み取っていく挑戦でした。

それはまさに
「翻訳と創造のあいだ」

こうして、小谷ふみ作
『月の光』ができあがりました。

購入する

作品情報

発行日:2015年5月4日

フランス語詩:ポール・ヴェルレーヌ
『艶なる宴』より
音楽譜   :クロード・ドビュッシー
       『ベルガマスク組曲』より
日本語詩  :小谷ふみ
組版・印刷 :嘉瑞工房 高 岡 昌 生

著者プロフィール

小谷ふみ(こたに・ふみ)

1975年8月30日生まれ、西国分寺育ち。フェリス女学院大学英文学科卒業後、英語と日本語の先生業(専門は音声学)の傍ら、読み聞かせの詩や、随筆のような詩のような作品を書く。「青い自転車の夢」が、第14回読売新聞こども未来賞入賞。

好きなものは、黒糖わらびもち、お天気雨、文房具、黒猫、大学芋、地球の輪郭、鶏料理、てんとう虫、りんご、フルート、大きな彼の字、小さな彼の前歯、大人になってはじめたバイオリン、ペットのヘルマンリクガメと菜食。